事務局長ご挨拶 |
我が国の労働災害による死亡者数は、年々減少傾向にあります。しかしその中でも、依然として建設業、製造業の比率は高く、全業種の中でも特にこの二業種については、事業者による労働安全衛生に関する取組みの推進が重要視されています。また、厚生労働省の発表によると、企業全体に占める小規模事業者(常時使用する従業員の数が20人以下の事業者)の割合は、85%を超えております。
この状況の中、建設業や製造業のうち、とりわけ小規模事業者においては、事業活動の中で労働安全衛生活動が等閑になっているのも現実です。適切な労働安全衛生環境の形成や教育を怠り、その結果、労働災害に至っているケースが後を絶ちません。これは、経済面や時間面での余裕の無さから、自社の業務を優先するあまり、労働安全衛生に関する取組みが希薄になっているためだと考えられます。
従来の労働安全衛生教育は、主に事業場内の労働安全衛生に関する指導スキルを持つ者による社内教育が主体でした。社内教育は事業者の責任のもとに各事業場が単独で行うため、小規模事業者においては、労働安全衛生の指導スキルを持つ者が在籍していない場合などもあり、専門機関による講習会への参加や、外部講師による派遣教育を行うケースも、近年では多く見受けられています。しかし先述したように時間的な制約や費用面の制約から、法定義務である労働安全衛生教育を正しく行なっていない事業者も少なくはありません。
この状況を打開する為、この度、一般社団法人建設不動産総合研修センターが労働安全衛生教育システムとして、WEB講座を開講する運びとなりました。この講座には、当センターの運営元である労働安全コンサルタント事務所が平成4年より行ってきた労働安全衛生教育並びに研修事業で培ってきたノウハウが、余すところなく活かされています。事業場内に労働安全衛生の指導スキルを持つ者が存在せずとも、従来のように外部講習会へ参加したり、はたまた高額な報酬を払って外部講師の派遣を受ける必要はありません。自社内で時間や場所を選ばず、的確で適切な労働安全衛生教育を実施することが出来ます。
当講座は当然のことながら、関係法令に基づき厚生労働省等より告示、通達されたカリキュラム及び法定時間を満たした内容となっており、当センターの講座を正しく受講された場合、一定の審査を経て教育修了証を交付いたします。さらに、事業者様、受講者様の負担を最大限に軽減するため、適切な講座価格を設定しております。
また、施工技術の側面からみた課題として、近年の建設不動産業界は建設技術の発展に伴い新工法の開発や新材料の導入など、より高度な技術が要求される傾向にあります。そのため、施工等を掌る者の能力向上や技術力向上等、多方面に対応し得る技術者の育成が重要な課題のひとつです。特に業界内部においては人材育成事業の一環として、とりわけ能力や技術力を証明するための国家資格等の取得への要求が高くなっています。このことから、労働安全衛生に関する教育と並んで、技術者の能力向上に関する教育の重要性も益々増してきていると言えるでしょう。
生命と健康を守るための教育事業と、技術者の育成に関する教育事業。この2つの柱を通して、職場における快適で適切な労働環境の形成と豊かな人材の育成のために、当センターがご提供するシステムがお役に立てることを確信しておリます。
一般社団法人建設不動産総合研修センターのWEB教育システムをご活用いただき、より良い労働安全衛生環境が形成され、そして豊かな人材が育成されますことを、心より願っております。